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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 新しい時代の白内障手術 Ⅱ.満足度の高い眼内レンズ度数決定

度数ずれに対するインフォームド・コンセント

著者: 小松真理1

所属機関: 1順和会山王病院眼科

ページ範囲:P.130 - P.136

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はじめに

 白内障手術が屈折矯正手術の1つであると認識されるようになって久しい。さらに最近では,小切開手術により惹起乱視がほぼ無視できるようになる一方,光学式眼軸長測定装置の登場により,眼内レンズ度数の予測精度が向上し1),より絞りこんだ屈折目標を持つことができるようになった。また,多焦点眼内レンズやトーリック眼内レンズによる老視矯正や乱視矯正が一般化し,白内障手術の屈折矯正手術としての意味合いは,さらに強くなりつつある。

 そうした背景における「眼内レンズの度数ずれ」とは,1つには患者の希望する屈折度数を把握していなかったことによる設定目標のずれ,もう1つには目標とした屈折度数と結果のずれが考えられ,後者の原因には,測定値の間違いによるものと,個々の眼の形態的特殊性によるものがある2)。光学式眼軸長測定装置の導入により,測定値の間違いによる大きなずれは減少したが,それでもなお,個々の要因によると考えられるずれに悩むことがある。

 本項では,どのように患者の望む術後屈折を把握するか,どのように度数のずれを減らすか,またパワーずれに対する心構えをどう患者に説明し,眼内レンズの種類と度数を選択するかについて,筆者らが行っている対策を中心に述べる。

参考文献

)の有用性.あたらしい眼科 22:505-509,2005
2)臼井正彦:白内障術後の屈折誤差.序論.眼科 44:1185,2002
3)松村美代:インフォームドコンセントはここが大切.眼科診療プラクティス29(白内障手術の適応と進め方):14-17,1997
4)新田任里江・清水公也・新井田孝弘:モノビジョン法における視能訓練士の役割.あたらしい眼科 23:1455-1459,2006
5)稗田朋子:眼内レンズによるモノビジョン法施行にあたって(実践編).IOL & RS 21:37-42,2007
6)清水公也・伊藤美沙絵:老視対策の現状と展望.4.モノビジョン.坪田一男(編):眼科プラクティス22.抗加齢眼科学.140-144,文光堂,東京,2008
7)高良由紀子:白内障手術後の屈折誤差.術後屈折誤差の現状.眼科 44:1193-1198,2002
8)山本真由:白内障手術後の屈折誤差の要因と対策.IOL & RS 20:329-332,2006
9)高良由紀子:強度近視眼に対する眼内レンズの度数決定法.坪田一男(編):眼科プラクティス9.屈折矯正完全版.168-169,文光堂,東京,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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