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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 新しい時代の白内障手術 Ⅱ.満足度の高い眼内レンズ度数決定 トピックス

トーリック眼内レンズの度数決定

著者: 神谷和孝1

所属機関: 1北里大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.138 - P.140

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眼内レンズ度数計算

 トーリック眼内レンズは屈折乱視を軽減して良好な裸眼視力を獲得することにより,患者のQOV(quality of vision)や満足度を向上させることが本来の目的であり,円柱度数だけでなく球面度数ずれも最小限にすることが重要である。そもそも等価球面度数が正確でなければ精度の高い乱視矯正を行う意味が薄れてしまう。とくに“refractive lens exchange”と呼ばれる,屈折矯正を目的とした白内障手術を行ううえで眼内レンズ度数計算はより重要性が高い。

 通常オートレフケラトメータによって角膜曲率半径・角膜屈折力を測定し,超音波Aモードや光学式超音波眼軸長測定装置(IOLマスター,カールツァイスメディテック社)によって眼軸長を測定する。これまでULIB(http://www.augenklinik.uni-wuerzburg.de/eulib/const.htm)上に,IOLマスター用に最適化されたA定数が登録されていなかったが,最近Hillによって最適化されたA定数(SRK-2,SRK/T式A定数119.2)が報告されている。いずれも数回以上の測定を行い,変動が少なく安定した測定値を採用する。レンズ度数計算式としては,それぞれの施設における通常のレンズ度数算出に準ずるが,通常SRK/T式が多く用いられる。将来的には,OKULIXTMのような光線追跡法を用いた眼内レンズ度数計算によって,さらに精度が向上する可能性がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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