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文献概要
特集 新しい時代の白内障手術 Ⅲ.高機能眼内レンズ
トーリック眼内レンズ
著者: 森洋斉1 宮田和典1
所属機関: 1宮田眼科病院
ページ範囲:P.155 - P.161
文献購入ページに移動はじめに
近年,白内障手術の進歩と普及に伴い,術後のQOV(quality of vision)に対する患者の期待値も高くなっている。しかし,手術後に角膜乱視が原因で裸眼視力が得られず,眼鏡が必要となる症例も少なくない。海外の疫学調査報告では,白内障手術患者の22~29%に1.50D以上の角膜乱視が存在するとしており1~3),白内障手術における乱視治療は,最優先されるべき課題であると考えられる。
現在わが国で広く行われている乱視矯正方法は,眼鏡やコンタクトレンズ,(角膜)輪部減張切開術(limbal relaxing incision:LRI)やエキシマレーザーによる手術など,白内障術後に矯正する方法が一般的である。一方,円柱度数が加入されたトーリック眼内レンズは,白内障手術と同時に乱視矯正が可能であり,術後早期から良好な裸眼視力が期待できる。
トーリック眼内レンズは,1990年に世界で初めて清水ら4,5)によって挿入され,報告された。当初は5.7mmの切開創から挿入していたため,切開による惹起乱視を考慮する必要があった。しかし,小切開手術が普及して惹起乱視が少ない手術が可能となり,トーリック眼内レンズは正確かつ安定した乱視矯正効果が確認されている6~8)。2009年,日本でもアクリソフ®IQ TORIC(アルコン社)が承認され,今後普及していくと考えられる。本項では,アクリソフ®IQ TORICについて述べさせていただく。
近年,白内障手術の進歩と普及に伴い,術後のQOV(quality of vision)に対する患者の期待値も高くなっている。しかし,手術後に角膜乱視が原因で裸眼視力が得られず,眼鏡が必要となる症例も少なくない。海外の疫学調査報告では,白内障手術患者の22~29%に1.50D以上の角膜乱視が存在するとしており1~3),白内障手術における乱視治療は,最優先されるべき課題であると考えられる。
現在わが国で広く行われている乱視矯正方法は,眼鏡やコンタクトレンズ,(角膜)輪部減張切開術(limbal relaxing incision:LRI)やエキシマレーザーによる手術など,白内障術後に矯正する方法が一般的である。一方,円柱度数が加入されたトーリック眼内レンズは,白内障手術と同時に乱視矯正が可能であり,術後早期から良好な裸眼視力が期待できる。
トーリック眼内レンズは,1990年に世界で初めて清水ら4,5)によって挿入され,報告された。当初は5.7mmの切開創から挿入していたため,切開による惹起乱視を考慮する必要があった。しかし,小切開手術が普及して惹起乱視が少ない手術が可能となり,トーリック眼内レンズは正確かつ安定した乱視矯正効果が確認されている6~8)。2009年,日本でもアクリソフ®IQ TORIC(アルコン社)が承認され,今後普及していくと考えられる。本項では,アクリソフ®IQ TORICについて述べさせていただく。
参考文献
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