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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 新しい時代の白内障手術 Ⅲ.高機能眼内レンズ

多焦点眼内レンズ―1)回折型

著者: 大木孝太郎1

所属機関: 1創樹会大木眼科

ページ範囲:P.166 - P.169

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レンズ構造の特徴

 回折型多焦点眼内レンズ(以下,回折型)の構造上の特徴は,図1に示すようにレンズ表面に階段状の回折構造と呼ばれる特殊な形状を持つことである。挿入後も外来診察でこの表面構造を観察できる(図2)。この特殊な表面構造が入射光を遠近2つの焦点に振り分けることによって多焦点機能を発揮するレンズである。すなわち多焦点というよりは2焦点と呼ぶほうが理解しやすい。

 このことは患者へのインフォームド・コンセントにおいても大変重要である。一般的には「多焦点」という言葉からは「どこでも見える」という印象を持ちやすいため,患者が過度の期待を抱きやすい。したがって「2焦点」もしくは「遠近両用」という言葉を使って説明することが適切である1)

参考文献

1)大木孝太郎:多焦点眼内レンズの実際.多焦点と言わない多焦点眼内レンズのインフォームドコンセント.IOL & RS 22:274-276,2008
2)清水直子:バイフォーカル眼内レンズ.回折型眼内レンズ―症例報告.あたらしい眼科 24:169-175,2007
3)中村邦彦:多焦点眼内レンズの実際,術後臨床成績.IOL & RS 22:282-288,2008
4)Nakamura K, Bissen-Miyajima H, Oki S et al:Pupil size in different Japanese age groups and the implications for intraocular lens choice. J Cataract Refract Surg 35:134-138, 2009
5)ビッセン宮島弘子:アクリソフレストア.IOL & RS 21:606-609,2007
6)大木孝太郎:眼内屈折矯正手術の現状と今後.回折型・非球面多焦点眼内レンズTECNIS Multifocal(ZM900).眼科手術 21:437-442,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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