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特集 新しい時代の白内障手術 Ⅳ.非定型な眼内レンズの挿入
毛様体溝固定―4)極小切開(インジェクターによる)
著者: 永原幸1
所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学
ページ範囲:P.242 - P.246
文献購入ページに移動はじめに
医療技術の進歩で定型的な白内障症例においては安全かつ侵襲の少ない手術が行えるようになったが,非定型的な白内障症例,白内障術後合併症などにおいては,術者のさまざまな経験や手術戦略が成否を分ける。定型的な内眼手術においては切開が小さいほど侵襲が少ないといえるが,非定型な症例においては手術操作性を優先した場合,切開を広げ従来の方法で行ったほうが侵襲を抑えられることもある。
現行の縫着対応眼内レンズとして光学径7mmのフォルダブルレンズがあるが,従来の鑷子による折りたたみでは約3.75~4mmの切開が必要になるところ,インジェクターを用いると2.5~2.75mmで挿入することができる。新しい技術の恩恵を受けられるメリットは大きく,さまざまな症例への適応が考えられる。安全性を優先した場合,手術手技は複雑になることが多いが,術者の努力(ラボでの縫着手技の練習)で解決できる。
なお,本項で解説する手技は硝子体手術の経験を要するため,硝子体手術の経験がない場合は硝子体術者の指導のもと行うことを勧める。
医療技術の進歩で定型的な白内障症例においては安全かつ侵襲の少ない手術が行えるようになったが,非定型的な白内障症例,白内障術後合併症などにおいては,術者のさまざまな経験や手術戦略が成否を分ける。定型的な内眼手術においては切開が小さいほど侵襲が少ないといえるが,非定型な症例においては手術操作性を優先した場合,切開を広げ従来の方法で行ったほうが侵襲を抑えられることもある。
現行の縫着対応眼内レンズとして光学径7mmのフォルダブルレンズがあるが,従来の鑷子による折りたたみでは約3.75~4mmの切開が必要になるところ,インジェクターを用いると2.5~2.75mmで挿入することができる。新しい技術の恩恵を受けられるメリットは大きく,さまざまな症例への適応が考えられる。安全性を優先した場合,手術手技は複雑になることが多いが,術者の努力(ラボでの縫着手技の練習)で解決できる。
なお,本項で解説する手技は硝子体手術の経験を要するため,硝子体手術の経験がない場合は硝子体術者の指導のもと行うことを勧める。
参考文献
1)Mamalis N, Edelhauser HF, Dawson DD et al:Toxic anterior segment syndrome. J Cataract Refract Surg 32:324-333, 2006
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