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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 新しい時代の白内障手術 Ⅴ.白内障手術のデバイスの進歩 トピックス

術中前房安定のための吸引と灌流の関係

著者: 岸本眞人1

所属機関: 1岸本眼科医院

ページ範囲:P.269 - P.270

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サージ現象はなぜ起きるのか

 白内障手術におけるサージ現象とは,吸引流量と灌流流量のバランスが崩れて前房が不安定となる状態のことである。

 超音波白内障手術は超音波により核を破砕し,破砕された核片を前房液と一緒に吸引して前房外へ排出するため,前房が潰れないように排出された体積量を灌流液で補充している。一定の流量で吸引を行っている限りは灌流流量も一定となり前房は維持され問題はないが,核片による閉塞開放後に吸引流量が急激に増えると,灌流は自由落下により行っているため,吸引に追いつけなくなり,ほんの一瞬ではあるが,吸引に対して灌流流量が不足する。これにより虹彩がバタついたり前房が浅くなるため,術者はドキッとする瞬間である。

参考文献

1)松島博之:白内障手術補助器具の変遷と進化.あたらしい眼科 26:1031-1038,2009
2)小出義博・松島博之・大木孝太郎:手術器具.オペセーバーの効果.IOL & RS 21:433-436,2007
3)岸本眞人:白内障手術時の前房安定補助器具オペセーバー(OPESAVER).眼科手術 23:59-63,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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