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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻11号

2010年10月発行

文献概要

特集 新しい時代の白内障手術 Ⅴ.白内障手術のデバイスの進歩 トピックス

ドレープ付き開瞼器

著者: 浦野哲1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.307 - P.309

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はじめに

 眼科手術において念頭におかなければならないのは合併症である。なかでも感染性眼内炎は予後が不良であり,そのリスクを最小限にする努力が必要である。ドレーピングは眼内炎の対策上きわめて重要な操作である。的確なドレーピングは術野への睫毛の脱出,眼瞼周囲の皮膚の露出や菌の迷入を防止する働きがある。しかし粘着テープを睫毛,眼瞼を覆うように貼り付け開瞼器をかける従来のドレーピングの方法では,内眼角や外眼角の睫毛や皮膚を完全には覆うことはできず,粘着テープの隙間から術野に眼分泌物がみられることを経験した術者も多いのではないかと思う。

 このように,従来の方法では睫毛や眼瞼を完全にドレーピングすることは困難である。そこで容易で確実なドレーピングシステムが望まれている。筆者らは,容易で確実に睫毛や眼瞼をドレーピングでき十分な術野が確保できる使い捨てのドレープ付き開瞼器を考案し,白内障手術が可能であったことを報告した1)。本項ではドレーピングが困難なアトピー性皮膚炎の症例と,近年重要な眼科治療法となった硝子体内注射について,実際の手術における使用経験を紹介する。

参考文献

1)浦野 哲:ドレープ付き開瞼器の開発.IOL & RS 22:510-512,2008
2)浦野 哲:ドレープ付き開瞼器.眼科手術 23:79-81,2010
3)Diago T, McCannel CA, Bakri SJ et al:Infectious endophthalmitis after intravitreal injection of antiangiogenic agents. Retina 29:601-605, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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