文献詳細
連載 眼科図譜・357
頸動脈ステント留置術後に発症した網膜中心動脈閉塞症の2例
著者: 西野和明1 吉田富士子1 新田朱里1 齋藤三恵子1 齋藤一宇1
所属機関: 1回明堂眼科・歯科
ページ範囲:P.1826 - P.1828
文献概要
頸動脈ステント留置術(carotid artery stenting:CAS)は,脳梗塞発症のハイリスクである高度な頸動脈狭窄症に対する低侵襲血行再建術(カテーテルインターベンション)として近年急速に発展している1,2)。わが国では2008年4月から保険診療が承認され,従来の内科的治療や外科的な治療としての頸動脈内膜剝離術(carotid endarterectomy:CEA)に加え新しい選択肢が増えた。しかしながら頸動脈ステント留置術を施行している最中に生じた塞栓が脳内に流れて脳梗塞を発症し,半身麻痺や言語障害などの後遺症を残すこともある。
一方,眼科的な問題についてはYamasakiら3)の網膜動脈塞栓の症例報告などはあるものの数は少なく,今回筆者らは頸動脈ステント留置術施行後に発症した網膜中心動脈閉塞症の2例を経験したので報告する。
参考文献
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