文献詳細
今月の表紙
文献概要
症例は39歳,男性。2008年12月25日,近医で網膜血管の白線化を指摘され,当科を紹介され受診した。視力は右0.1(1.2),左0.15(1.2)で,眼圧は右12mmHg,左16mmHgであった。前眼部,中間透光体に異常はなかった。既往歴として2年前に糖尿病と診断され,現在はインスリンを使用中である。血糖値443mg/dl,HbA1c 11.8%で,コレステロール,中性脂肪も高いとのことであった。眼底検査では出血白斑はないものの,網膜血管の色調が明らかに正常とは異なり,あたかもクリーム色の色調であった。
網膜脂血症では血清中性脂肪が2,000mg/dl以上の高値となり,網膜血管の色調は淡紅色からクリーム色に変化し,動静脈の区別がつきにくくなる。またその値が下がれば,その色調も正常に戻る。本症例の血液検査では総コレステロール1,140mg/dl,中性脂肪3,150mg/dlを示し,臨床所見を考え網膜脂血症と診断した。慢性的に血清脂質が高かったと思われる。
網膜脂血症では血清中性脂肪が2,000mg/dl以上の高値となり,網膜血管の色調は淡紅色からクリーム色に変化し,動静脈の区別がつきにくくなる。またその値が下がれば,その色調も正常に戻る。本症例の血液検査では総コレステロール1,140mg/dl,中性脂肪3,150mg/dlを示し,臨床所見を考え網膜脂血症と診断した。慢性的に血清脂質が高かったと思われる。
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