文献詳細
特集 OCTによって緑内障診療の何が変わるか
―後眼部OCT(4)―Spectralis HRA+OCT
著者: 板谷正紀1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学講座眼科学
ページ範囲:P.152 - P.159
文献概要
SpectralisTM HRA+OCT(以下,Spectralis,図1)はドイツのHeidelbergにあるHeidelberg Engineering社が開発したスペクトラルドメイン光干渉断層計(spectral-domain optical coherence tomography:SD-OCT)である。もともとHeidelberg Retina Angiography 2(HRA2)という高性能なconfocal scanning laser ophthalmoscopy(cSLO)が販売されinfra red(IR),fluorescein angiography(FA),indocyanine green angiography(IA),autofluorescence(AF),red-free(RF)の5つの検査が可能であり,特に黄斑疾患の検査機器として黄斑専門医のいる病院に浸透していた。このHRA2にSD-OCTを加えたものがSpectralisTM HRA+OCTである。
最高機種はSD-OCTを含め6つの検査が可能になった。FA,IA,AF,RF機能を持たない廉価版のSpectralisTM OCT,OCT機能を持たないSpectralisTM HRA(前名称HRA2)の3機種構成として販売されている(ジャパンフォーカス社)。SpectralisTM HRA+OCTの緑内障解析機能は,現状では視神経乳頭周囲神経線維層(circumpapillary retinal nerve fiber layer:cpRNFL)厚の解析のみであるが,次の項で説明する他にない特徴を有しており,将来緑内障診療を変えるポテンシャルを持つと考えている。
参考文献
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