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文献概要
特集 OCTによって緑内障診療の何が変わるか
―後眼部OCT(5)―Optopol SPOCT-HR
著者: 伊藤逸毅1
所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(眼科学)
ページ範囲:P.160 - P.166
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光干渉断層計(OCT)を用いた緑内障の診断はOCT初代機のときからその報告はあったが1),解像度,走査スピードからあまり実用的ではなかった。しかし,近年の性能向上により,現在では日常診療でルーチン検査として用いることができるものになっている。特にタイムドメインからフーリエドメインになりスキャンスピードが大幅にアップした結果,1~2秒で眼底を面状にスキャンするボリュームスキャンが可能になったこと,解像度の向上により神経線維層の厚い視神経乳頭周囲のみでなく,黄斑部においても神経線維層厚解析が可能になったこと,また散瞳が必ずしも必要でないこと,などにより診断精度,日常診療での有用性は著しく向上している。
OCTは実用性の向上とともにそのマーケットが広がった結果,開発競争も激しくなり,最近では毎年のように新製品が出ている。そのなかでも解像度で3μmという最高性能,スキャンスピードでも52,000 Aスキャン/秒という現行機種でのトップクラスの性能を誇るのが,ポーランドのオプトポール社の開発したSPOCT-HRである(わが国での販売はキャノンマーケティングジャパン。表1,図1)。本稿ではこのSPOCT-HRを用いた緑内障の診断について概説する。
光干渉断層計(OCT)を用いた緑内障の診断はOCT初代機のときからその報告はあったが1),解像度,走査スピードからあまり実用的ではなかった。しかし,近年の性能向上により,現在では日常診療でルーチン検査として用いることができるものになっている。特にタイムドメインからフーリエドメインになりスキャンスピードが大幅にアップした結果,1~2秒で眼底を面状にスキャンするボリュームスキャンが可能になったこと,解像度の向上により神経線維層の厚い視神経乳頭周囲のみでなく,黄斑部においても神経線維層厚解析が可能になったこと,また散瞳が必ずしも必要でないこと,などにより診断精度,日常診療での有用性は著しく向上している。
OCTは実用性の向上とともにそのマーケットが広がった結果,開発競争も激しくなり,最近では毎年のように新製品が出ている。そのなかでも解像度で3μmという最高性能,スキャンスピードでも52,000 Aスキャン/秒という現行機種でのトップクラスの性能を誇るのが,ポーランドのオプトポール社の開発したSPOCT-HRである(わが国での販売はキャノンマーケティングジャパン。表1,図1)。本稿ではこのSPOCT-HRを用いた緑内障の診断について概説する。
参考文献
1)Bowd C, Weinreb RN, Williams JM, Zangwill LM:The retinal nerve fiber layer thickness in ocular hypertensive, normal, and glaucomatous eyes with optical coherence tomography. Arch Ophthalmol 118:22-26, 2000
2)Inoue R, Hangai M, Kotera Y et al:Three-dimensional high-speed optical coherence tomography imaging of lamina cribrosa in glaucoma. Ophthalmology 116:214-222, 2009
3)Bizheva K, Pflug R, Hermann B et al:Optophysiology:depth-resolved probing of retinal physiology with functional ultrahigh-resolution optical coherence tomography. Proc Natl Acad Sci USA 103:5066-5071, 2006
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