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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

連載 眼科図譜・356

Bloch-Sulzberger症候群の1例―長期経過

著者: 鈴木聡12 岡本紀夫2 三村治2

所属機関: 1たつの市立御津病院眼科 2兵庫医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.170 - P.171

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緒言

 Bloch-Sulzberger症候群(incontinentia pigmenti)は,1926年にBlochが,1928年にSulzbergerが報告した症候群で,特有の皮膚症状以外に,歯牙・中枢神経・眼病変をきたすきわめて稀な疾患であり,そのほとんどが女児に発症する1)。近年ではその原因遺伝子が同定され,ヒト染色体Xp28に存在するNEMO/IKK gamma遺伝子の変異で発症する2)。本疾患の眼病変は網膜血管の異常,斜視,白内障などをきたすことが知られているが,網膜血管病変を治療後,10年間にわたり経過観察できた症例の報告はきわめて少ない3)

 今回筆者らは,Bloch-Sulzberger症候群の8歳女児の網膜血管病変に対して光凝固を行い10年間増悪がみられなかった1例を経験したので報告する。

参考文献

1)辻川 薫:Bloch-Sulzberger症候群(色素失調症),家族性滲出性硝子体網膜症.眼科診療プラクティス 85(血管閉塞性疾患の診療):123-127,2002
2)Berlin AL, Paller AS, Chan LS:Incontinentia pigmenti. A review and update on the molecular basis of pathophysiology. J Am Acad Dermatol 47:169-187, 2002
3)三木恵美子・大島 崇・平形恭子・他:Bloch-Sulzberger症候群(色素失調症)の臨床経過の検討.臨眼 46:821-824,1992
4)今村 裕・大林亜希・南 政宏・他:黄斑部牽引性網膜剝離に進行したBloch-Sulzberger症候群に対する硝子体手術.臨眼 58:99-103,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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