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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

臨床報告

視力良好なポリープ状脈絡膜血管症に対する光線力学的療法の治療成績

著者: 臼井浩1 酒井勉1 神野英生1 林孝彰1 渡辺朗1 常岡寛1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.213 - P.217

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要約 目的:視力が良好なポリープ状脈絡膜血管症に対する光線力学的療法の結果の報告。対象と方法:矯正視力が0.5以上のポリープ状脈絡膜血管症8例8眼を診療録により検索した。男性5例,女性3例で,年齢は56~80歳(平均69歳)である。フルオレセイン蛍光眼底造影による病巣の最大径は729~5,291μm(平均2,860μm)であった。治療前と6か月後の視力と中心窩網膜厚を測定した。視力はlogMARで評価し,0.2以上の変化を有意とした。中心窩網膜厚は光干渉断層計(OCT)で測定し,10%以上の変化を有意とした。結果:治療6か月後の視力は,4眼で改善,3眼で不変,1眼で悪化した。中心窩網膜厚は6眼で減少,1眼で不変,1眼で増加した。結論:視力が良好なポリープ状脈絡膜血管症に対し,光線力学的療法が奏効することが多い。

参考文献

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2)高橋寛二:光線力学的療法.あたらしい眼科 24:91-100,2007
3)羽根田思音・山本禎子・土谷大仁郎・他:ポリープ状脈絡膜血管症における自然経過および光線力学療法の予後の検討.臨眼 62:1557-1562,2008
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8)西本文俊・林 孝彰・神野英生・他:光線力学的療法後に大量網膜下出血をきたしたポリープ状脈絡膜血管症の2症例.眼臨紀 1:884-891,2008
9)尾辻 剛・津村晶子・高橋寛二・他:自然経過観察中にclassic脈絡膜新生血管の所見を示したポリープ状脈絡膜血管症の検討.日眼会誌 110:454-461,2006
10)足立知子・高橋秀徳・上田高志・他:視力良好の加齢黄斑変性症例に対するベバシズマブ療法.臨眼 62:1473-1476,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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