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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻2号

2010年02月発行

文献概要

臨床報告

感染性角膜炎の患者背景と起炎菌

著者: 杉田稔1 門田遊1 岩田健作1 木村未来1 山川良治1

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.225 - P.229

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要約 目的:感染性角膜炎の自験例の患者背景と起炎菌の報告。対象と方法:2006年までの6年間に久留米大学眼科を受診した感染性角膜炎99例99眼を診療録により検索した。ヘルペスウイルスによる角膜炎は除外した。男性48例,女性51例で,年齢は0~93歳(平均56.2±23.5歳)であった。顕微鏡検査または培養により起炎菌を推定した。起炎菌は4群に分けて評価した。結果:起炎菌は62例で検出され,真菌31%,グラム陰性桿菌19%,グラム陽性球菌18%,その他32%であった。2006年の感染性角膜炎全国調査に比べ真菌が多かった。結論:今回の調査で真菌による感染性角膜炎が全国平均よりも多かったのは,当科が農村の近くにある紹介型の医療施設であるためと推定される。

参考文献

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9)石橋康久・徳田和央・宮永嘉隆:角膜真菌症の2病型.臨眼 51:1447-1452,1997
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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