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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻3号

2010年03月発行

文献概要

文庫の窓から

『東医宝鑑』

著者: 中泉行弘1 林尋子1 安部郁子1

所属機関: 1研医会

ページ範囲:P.374 - P.377

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海東第一といわれる朝鮮の医書

 岡西為人は『中国醫家本草考』の第二章の最後である第二四節を『東医宝鑑』で締めくくっている。年代的には第二一節の『医宗金鑑』のほうが後の時代のものになるが,『医方類聚』と『東医宝鑑』は朝鮮の書物であるため,中国の書と区別して章の終わりにまとめて2節を置いたのであろう。

 『医方類聚』は世宗が命じて作らせた266巻の巨編で,1443年から1477年にかけて編纂,校正,印刷が行われたとされている。残念ながら朝鮮では失われたが,日本に伝存するものがあって,江戸時代,天明4年に多紀氏の所蔵となって文久元年には活字本として刊行された。1965年にはソウルの東洋医科大学から写真版で出版されているが,当図書館には所蔵がないので,『医方類聚』については割愛させていただく。

参考文献

1)三木 栄:朝鮮醫書史.自費出版,1956
2)岡西為人:中国醫書本草考.井上書店,1974
3)山田慶兒(編):東アジアの本草と博物学の世界.思文閣出版,1995
4)西村三郎:文明のなかの博物学―西欧と日本.紀伊國屋書店,1999
5)遠藤正治:本草学と洋学―小野蘭山学統の研究.思文閣出版,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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