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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

ロービジョンケアにおける眼科医の役割

著者: 国松志保1 熊谷知子1 保沢こずえ1 近藤玲子1 伊藤華江1 平林里恵1 金井美佳1 牧野伸二1 茨木信博1

所属機関: 1自治医科大学眼科学講座

ページ範囲:P.449 - P.453

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要約 目的:ロービジョンケア(低視力者への対応)での眼科医の役割を2症例について検討した報告。症例:1例は62歳女性。網膜色素変性でロービジョン外来を受診した。視力は右手動弁,左光覚弁であった。核白内障が進行し,1年後に白内障手術を行った。矯正視力は右0.07,左0.01になり,日常生活が改善した。他の1例は71歳女性で,21年前から当科に通院していた。強度近視で網脈絡膜萎縮があり,矯正視力は左右とも0.3であった。コンタクトレンズを装用で,右0.7,左0.5に改善した。7年前に白内障手術を行い,視力は右0.2,左1.0になった。本人の希望でロービジョン外来を受診した。矯正視力は左右とも0.3で,眼圧は24mmHg以上と高値であった。視野と眼底の乳頭所見とから緑内障の診断が確定し,治療により眼圧が正常化した。結論:ロービジョン外来では,ケアと並行して,治療の可能性を眼科医が再検討することが望ましい。

参考文献

1)川崎知子・国松志保・牧野伸二・他:自治医科大学附属病院におけるロービジョンケア.日本ロービジョン学会誌 8:173-176,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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