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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

偽黄斑円孔の光干渉断層計所見と臨床像

著者: 草野真央1 宮村紀毅1 築城英子1 鈴間潔1 北岡隆1

所属機関: 1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻展開医療科学講座眼科・視覚科学分野

ページ範囲:P.471 - P.475

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要約 目的:偽黄斑円孔の臨床像と光干渉断層計(OCT)による所見の報告。対象:偽黄斑円孔の自験例21例21眼を診療録の記載に基づいて検索した。男性6例,女性15例である。10例には手術を行い,11例では経過のみを追跡した。結果:手術群では術後の矯正視力が有意に改善し(p<0.05),黄斑厚は有意に増加した(p<0.05)。視力の改善と黄斑厚とは相関しなかった。OCTによる黄斑の術後の形状は,7眼で改善し,3眼で不変であった。非手術群では,平均31.5か月の観察期間内で有意な視力変化はなく,OCTによる黄斑形状には変化がなかった。結論:偽黄斑円孔では,硝子体手術による黄斑形状と視力改善が期待できるが,手術適応はさらなる検討が必要である。

参考文献

1)Allen AW Jr, Gass JDM:Contraction of a perifoveal epiretinal membrane simulating a macular hole. Am J Ophthalmol 82:684-691, 1976
2)Fish RH, Anand R, Izbrand DJ:Macular pseudoholes:Clinical feature and accuracy of diagnosis. Ophthalmology 99:1665-1670, 1992
3)下田幸紀・小林秀雄・岸 章治:偽黄斑円孔の網膜断層像.臨眼 56:1041-1045,2002
4)上村昭典:黄斑円孔と偽黄斑円孔の手術適応.田野保雄(編):みんなの硝子体手術.226-227,文光堂,東京,2007
5)丸山泰弘・大谷倫裕・岸 章治:光学的干渉断層計による網膜前黄斑線維症の観察.臨眼 52:1468-1470,1998
6)Massin P, Paques M, Masri H et al:Visual outcome of surgery for epiretinal membranes with macular pseudoholes. Ophthalmology 106:580-585, 1999
7)Suzuki T, Terasaki H, Niwa T et al:Optical coherence tomography and focal macular electroretinogram in eyes with epiretinal membrane and macular pseudohole. Am J Ophthalmol 136:62-67, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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