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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻4号

2010年04月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

黄斑上膜の術前後変視変化の定量,早期手術は有用か

著者: 植田芳樹1 舘奈保子1 木村友剛1 芳村賀洋子1 黒川由加1 橋本義弘1

所属機関: 1真生会富山病院アイセンター

ページ範囲:P.521 - P.524

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要約 目的:変視症を軽減する目的での黄斑上膜の手術時期の検討。対象と方法:過去9年間に手術を行った特発性黄斑上膜94例99眼を対象とした。男性47眼,女性52眼で,年齢は平均69.3±7.4歳であった。術前と術後6か月以降にM-CHARTSの縦方向と横方向の平均値で変視症を評価した。結果:全99眼での変視症の平均値は,術前後で有意差はなかった。術前のM-CHARTS値が0のものは術後に有意に悪化し,0.05~0.5のものでは不変,0.55以上であれば有意に改善した。結論:黄斑上膜による変視症は膜除去により改善が期待できる。術前のM-CHARTS値が小さい初期の症例では再検討が必要である。

参考文献

1)荻野誠周:特発性黄斑部網膜上膜の硝子体手術.眼科 36:559-568,1994
2)佐藤敬子・吉澤豊久・太田正行・他:比較的視力良好な黄斑上膜に対する硝子体手術の視力予後.眼科 48:247-254,2006
3)日下俊次・楠 哲夫・壇上幸孝・他:黄斑上膜に対する硝子体手術.臨眼 46:123-127,1992
4)長谷川拓也・恵美和幸・池田俊英・他:特発性黄斑前膜における内境界膜剝離術後の長期成績.日眼会誌 108:150-156,2004
5)尾花 明・郷渡有子・和田園美・他:黄斑上膜除去後手術成績の検討.眼科手術 14:253-256 2001
6)Arimura E, Matsumoto C, Okuyama S et al:Retinal contraction and metamorphopsia scores in eyes with idiopathic epiretinal membrane. Invest Ophthalmol Vis Sci 46:2961-2966, 2005
7)Fraser-Bell S, Guzowski M, Rochtchina E et al:Five-year cumulative incidence and progression of epiretinal membranes. The Blue Mountains Eye Study. Ophthalmology 110:34-40, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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