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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻5号

2010年05月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

日本人角膜鉄線の特徴―動画を応用した角膜鉄線撮影法による研究

著者: 松原稔1

所属機関: 1松原眼科医院

ページ範囲:P.679 - P.685

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要約 背景:角膜鉄線の頻度は,日本人では4.4%,非日本人では29~69%とされている。目的:日本人での角膜鉄線の頻度を動画で検索した報告。対象と方法:眼科を受診した男性436名,女性564名の合計1,000名の角膜を動画として撮影し,Photoshop®で自動処理をして角膜鉄線を検索した。結果:散乱光では瞳孔領の鉄線だけが写り,青フィルタを挿入すると虹彩域の鉄線と透明域が写った。直接光と反帰光では虹彩域の鉄線が写り,透明域は写らなかった。この写真をPhotoshop®で処理すると虹彩域で透明域が現れ,鉄線の両端から輪部まで続いていた。鉄線と透明域を合わせた頻度は31.3%であった。鉄線の形は非日本人で報告されているそれと同じであった。結論:角膜鉄線は虹彩の色と記録法で検出率が違う。その頻度が日本人と非日本人とで異なるのは,手技の違いによると解釈される。

参考文献

1)Gass JDM:The iron line of the superficial cornea. Arch Ophthalmol 71:348-358, 1964
2)Norn MS:Hudson-Stähli's line of cornea. Ⅰ. Incidence and morphology. Acta Ophthalmol(Copenh) 46:106-118, 1968
3)Rose GE, Lavin MJ:The Hudson-Stahli line. I:An epidemiological study. Eye 1:466-470, 1987
4)松原 稔:日本人の角膜鉄線発生率.臨眼 61:853-858,2007
5)松原 稔:日本人角膜鉄線の形と分布―動画を応用した角膜鉄線撮影法.臨眼 62:517-522,2008
6)松原 稔:日本人角膜鉄線の形と分布にみる角膜鉄線発生機序の細隙灯顕微鏡写真による研究.臨眼 63:725-730,2009
7)Vogt A:Texbook and Atlas of Slit Lamp Microscopy of the Living Eye. Vol 1. 41-90, Wayenborgh, Bonn, 1981
8)Baraquer-Somer E, Chan CC, Green WR:Corneal epithelial iron deposition. Ophthalmology 90:729-734, 1983
9)Bron AJ:Vortex patterns of the corneal epithelium. Trans Ophthalmol Soc VK 93:455-472, 1973

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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