icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻5号

2010年05月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

網膜静脈閉塞症に対する酢酸メチルプレドニゾロンのテノン囊下注射の効果

著者: 中井孝史1 内田真理子1 辻本淳子1 伴由利子1

所属機関: 1公立南丹病院眼科

ページ範囲:P.763 - P.768

文献購入ページに移動
要約 目的:網膜静脈閉塞症に続発した黄斑浮腫に対して酢酸メチルプレドニゾロンを後部テノン囊下に注射した効果の報告。対象と方法:黄斑浮腫が続発し,3か月以上寛解しない網膜中心静脈閉塞症2眼と網膜静脈分枝閉塞症3眼を対象とした。酢酸メチルプレドニゾロン10mgを後部テノン囊下に注射し,3か月間の経過を追跡した。視力はlogMARで評価した。結果:注射後3か月で視力は2眼で改善し,3眼では不変であった。平均視力は3か月後に有意に改善した。光干渉断層計(OCT)で測定した中心窩厚と黄斑浮腫には変化がなかった。副作用はなかった。結論:黄斑浮腫がある網膜中心静脈閉塞症または網膜静脈分枝閉塞症に対し,酢酸メチルプレドニゾロン10mgのテノン囊下注射は安全ではあるが,黄斑浮腫の改善効果は少ない。

参考文献

1)Ozdek S, Deren YT, Gurelik G et al:Posterior subtenon triamcinolone, intravitreal triamcinolone and grid laser photocoagulation for the treatment of macular edema in branch retinal vein occlusion. Ophthalmic Res 40:26-31, 2008
2)Martidis A, Duker JS, Greenberg PB et al:Intravitreal triamcinolone for refractory diabetic macular edema. Ophthalmology 109:920-927, 2002
3)福家恭子・賀島 誠・内藤 毅・他:黄斑浮腫に対するトリアムシノロンテノン囊下投与の成績.臨眼 60:1449-1453,2006
4)Kawaji T, Takano A, Inomata Y et al:Trans-Tenon's retrobulbar triamcinolone acetonide injection for macular oedema related to branch retinal vein occlusion. Br J Ophthalmol 92:81-83, 2008
5)坂本泰二・桶田哲夫・田野保雄・他:眼科領域におけるトリアムシノロン使用状況全国調査結果.日眼会誌 111:936-945,2007
6)Aiello LP, Avery RL, Arrigg PG et al:Vascular endothelial growth factor in ocular fluid of patients with diabetic retinopathy and other retinal disorders. N Engl J Med 331:1480-1487, 1994
7)山内遵秀・森 文彦・昌原英隆・他:網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するベバシズマブ硝子体内投与の検討.日眼会誌 113:672-674,2009
)in the treatment of macular edema secondary to branch retinal vein occlusion. Retina 27:419-425, 2007
9)寺村直毅・永井紀博・篠田 肇・他:網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫へのトリアムシノロンのテノン囊下投与の有効性.眼科 47:1847-1852,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら