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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻5号

2010年05月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

高知大学医学部眼科におけるBehçet病症例の統計学的観察

著者: 山本由美子1 多田憲太郎1 岸茂1 福島敦樹1

所属機関: 1高知大学医学部眼科学講座

ページ範囲:P.779 - P.782

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要約 目的:過去1年間のBehçet病による眼合併症の報告。対象と方法:高知大学附属病院眼科を受診した初診または再診患者25例を診療録に基づいて検索した。結果:男性13例,女性12例で,平均年齢は52.5±13.8歳,平均罹患期間は12.9±8.3年であった。20例が両眼に罹患し,計45眼中14眼(31%)が前眼部炎型,31眼(69%)が汎ぶどう膜炎型であった。13眼(29%)では最終受診時の矯正視力が0.3未満であった。汎ぶどう膜炎型では前眼部炎型よりも最終受診時の視力が有意に低かった(p<0.01)。40歳以前に両眼性に発症した男性では汎ぶどう膜炎型が多かった。結論:Behçet病によるぶどう膜炎では,40歳以前に両眼に発症した男性では汎ぶどう膜炎になるリスクが大きく,視力予後が不良である。

参考文献

1)大野重昭:ベーチェット病研究の最近の進歩.序説.臨眼 57:1298-1300,2003
2)水木信久・大野重昭・猪子英俊:ベーチェット病の分子遺伝学.臨眼 57:1302-1307,2003
3)川島秀俊:ベーチェット病の臨床像.臨眼 57:1312-1316,2003
4)Yazici H, Tüzün Y, Pazarli H et al:Influence of age of onset and patient's sex on the prevalence and severity of manifestations of Behçet's syndrome. Ann Rheum Dis 43:783-789, 1984
5)小竹 聡:ベーチェット病の疫学.臨眼 57:1308-1310,2003
6)Alpsoy E, Donmez L, Onder M et al:Clinical features and natural course of Behçet's disease in 661 cases:a multicenter study. Br J Dermatol 157:901-906, 2007
7)Kump LI, Moeller KL, Reed GF et al:Behçet's disease. Comparing three diseases of treatment response at the National Eye Institute. Can J Ophthalmol 43:468-472, 2008
8)藤野雄次郎・川島秀俊:ベーチェット病の治療.臨眼 57:1318-1322,2003
9)稲森由美子・水木信久:ベーチェット病の抗TNFα抗体療法.眼科 48:489-503,2006
10)南場研一・大野重昭:ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎に対するインフリキシマブの有効性.リウマチ科 39:27-35,2008
11)多田憲太郎・山本由美子・西野耕司・他:Behçet病に対する生物学的製剤インフリキシマブの使用経験.臨眼 63:1333-1336,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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