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特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著
涙囊鼻腔吻合術下鼻道法術後にみられた発熱例2例
著者: 大野木淳二1
所属機関: 1おおのぎ眼科
ページ範囲:P.907 - P.909
文献購入ページに移動要約 目的:下鼻道経由による涙囊鼻腔吻合術の直後に発熱した2症例の報告。症例:1例は81歳男性,他の1例は81歳女性である。2例とも鼻涙管閉塞症が右眼にあり,1例には同側の涙囊炎があった。いずれも患側に下鼻道経由の涙囊鼻腔吻合術が行われた。1例では術直後の36.7℃の体温が帰宅後に38℃以上,他の1例では36.6℃の体温が夜になり38.7℃になった。両症例とも抗菌薬の全身投与で術2日後までに平熱になり,1週間後には白血球数が正常化した。結論:下鼻道経由による涙囊鼻腔吻合術では,特に高年者では術後の体温に留意し,術後3日間は抗菌薬の全身投与が望ましい。
参考文献
1)栗橋克昭:涙囊鼻腔吻合術:鼻内法(下鼻道法).松村美代・黒田真一郎・溝口尚則・他(編):眼科マイクロサージェリー.第5版.121-133,エルゼビア・ジャパン,2006
2)大野木淳二:涙囊鼻腔吻合術(DCR)下鼻道法-安全かつ確実な治療法の工夫.栗橋克昭(編):涙囊鼻腔吻合術と眼瞼下垂症手術.120-124,メディカル葵出版,2008
3)井上博雅:パルスオキシメーターをどう使うか.日本医師会雑誌 137:131-132,2008
4)永武 毅:誤嚥と誤嚥性肺炎.日本医師会雑誌 125:1018-1022,2001
5)山谷睦雄:誤嚥性肺炎.日本医師会雑誌 137:186-188,2008
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