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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻6号

2010年06月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

防腐剤無添加のチモロールマレイン酸塩点眼液とカルテオロール塩酸塩点眼液の眼圧下降効果,安全性,使用感

著者: 川添賢志1 井上賢治1 若倉雅登1 富田剛司2

所属機関: 1井上眼科病院 2東邦大学医学部眼科学第2講座

ページ範囲:P.915 - P.919

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要約 目的:防腐剤を含まないチモロールとカルテオロール点眼液の比較。対象と方法:通院加療中の緑内障患者23例23眼を対象とした。男性2例,女性21例で,年齢は45~82歳(平均67歳)である。12例が原発開放隅角緑内障,11例が正常眼圧緑内障であった。それまで使用していた防腐剤を含まない0.5%チモロール点眼液を2%カルテオロール点眼液に変更し,眼圧を1か月後と3か月後に測定した。変更から1か月後に使用感などについて調査した。結果:眼圧には変更前後で差がなかった。眼の乾燥感はチモロール,刺激感,掻痒感,異物感はカルテオロールのほうが少なかった。点眼の難易度には差がなく,持ち運び,保管法,開栓の難易度はカルテオロールのほうが良好であった。チモロールからカルテオロールに変更したときの副作用が13%に生じた。結論:いずれも防腐剤を含まないチモロールとカルテオロール点眼液は,ほぼ同等の眼圧下降効果と安全性を有する。点眼時の自覚症状と点眼容器の取扱いはカルテオロールが優れていた。

参考文献

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4)松園哲行・雨宮次生:β遮断点眼薬変更による眼圧変化の検討.眼臨 86:780-783,1992
5)土坂寿行・金 恵媛・松元 俊・他:多施設におけるtimololおよびcarteololの比較試験.眼臨 85:1136-1140,1991
6)河嶋洋一:点眼容器の構造.臨床と薬物治療 59:1119-1122,2000
7)兵頭涼子・溝上志朗・川崎史朗・他:高齢者が使いやすい緑内障点眼容器の検討.あたらしい眼科 24:371-376,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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