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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻6号

2010年06月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

網膜静脈分枝閉塞症に対するベバシズマブ硝子体注射の術後経過

著者: 木村友剛1 舘奈保子1 橋本義弘1 芳村賀洋子1 黒川由加1 植田芳樹1

所属機関: 1真生会富山病院眼科

ページ範囲:P.957 - P.961

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要約 目的:網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に対するベバシズマブ硝子体注射の結果の報告。対象と方法:黄斑浮腫があるBRVO 29例29眼を対象とした。男性9眼,女性20眼で,平均年齢は68歳,発症からの推定期間は2.9±3.3か月であった。ベバシズマブ1.25mgを硝子体腔に注射し,3か月以上の経過を追った。視力はlogMARで評価した。経過中に視力が低下した症例には,1か月以上の間隔をおいて再投与した。結果:10例では1回の注射で平均視力が0.23から0.02になった。19例では2~6回の注射が行われ,第1回の注射で平均視力が0.40から0.11になった。29例では最高視力が得られた注射回数は,1回目が18/29例,2回目が3/19例,3回目が5/9例,4回目以上が3/5例であった。結論:黄斑浮腫があるBRVOに対するベバシズマブの硝子体注射は,1回だけで視力が上昇する例があるが,3回以上の注射でも改善する例がある。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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