icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻7号

2010年07月発行

文献概要

連載 視野のみかた・4

―単一視野解析を理解する4―信頼性の指標

著者: 松本長太1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1064 - P.1069

文献購入ページに移動
はじめに

 今日,視野検査の主流がコンピュータ制御による自動視野計となり,Goldmann視野計でしばしば問題となった視野検査に対する検者の技量の影響は最小限に抑えられるようになった。しかし,視野検査はあくまで自覚検査であり,患者側の立場からは「光が見えたらボタンを押す」という単純作業であることに変わりはない。Goldmann視野計の場合は,検者が測定中に常に患者の固視や応答状況を把握していたため,何らかの問題が発生した場合はすぐに検査にフィードバックすることができた。しかし自動視野計では,どのような測定状況でも何らかの結果は出てしまい,診断医はこの結果だけでは測定時の状況を十分に把握することができない。そのため,自動視野計では,これら被検者側の不安定要因に対応すべく多くの工夫が組み入れられてきた。

 視野測定の信頼性を担保する手法には,大きく分けて検査中に直ちに患者へフィードバックされるものと,測定結果に付随した信頼性の指標として診断者へフィードバックされるものがある。さらに,検者のみが把握できる検査時の患者の状態も,視野の測定結果を評価するうえでしばしば重要となる。視野検査において,患者が行わなければならないことは,①中心の固視標を見続けることと,②ドーム内に光が見えたらボタンを押すこと,の2点である。自動視野計において,この2つの課題の評価がどのように行われているかみていきたい。

参考文献

1)Heijl A, Krakau CE:An automatic static perimeter, design and pilot study. Acta Ophthalmol(Copenh) 53:293-310, 1975
2)Whalen WR, Spaeth GL:Computerized Visual Fields:What they are and how to use them. Slack Inc, Thorofare, 1985
3)Anderson DR, Patella VM:Automated Static Perimetry. Mosby, St Louis, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?