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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻7号

2010年07月発行

書評

ケースで学ぶ 日常みる角膜疾患 フリーアクセス

著者: 天野史郎1

所属機関: 1東京大学大学院・眼科学

ページ範囲:P.1103 - P.1103

文献概要

 山口大学眼科学教室前教授の西田輝夫先生と山口大学眼科の教室員の先生方が執筆された『ケースで学ぶ 日常みる角膜疾患』が医学書院より発刊された。西田先生は世界的な業績を挙げた角膜研究者に贈られるカストロビエフォ賞を受賞された日本を代表する角膜研究家であり,フィブロネクチン点眼による再発性角膜上皮びらんの治療,サブスタンスPとIGF(インスリン様増殖因子)の部分ペプチドの点眼による遷延性角膜上皮欠損の治療などの研究でLancet誌に論文を数本発表されるなど,輝かしい業績を残されてきた。その西田先生がこれまでの長い診療経験において蓄積された多くの症例から,日常みる角膜疾患を抽出しまとめ上げられたのが本書である。

 その内容は,角膜疾患および関連事項を大きく「角膜上皮」「感染・免疫」「角膜変性・内皮」「形状異常・外傷」「腫瘍・全身」「角膜移植」「検査」の7つに分け,それぞれの代表的な疾患や討論点などの小項目を全体で80項目掲げ,詳細な解説が述べられている。各項目においてはまず典型的な症例が提示され,いずれの項目の症例も初診時所見から最終的な転帰までが詳細に記述されており,教室員の先生方が精魂込めて症例をまとめられた様子がうかがえる。そして症例の提示に引き続き,各疾患の説明が,疾患の定義,疾患概念,自覚症状,他覚所見,診断・鑑別診断,治療・予後の順に述べられており,本書の最も読み応えのある部分となっている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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