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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

2%カルテオロール塩酸塩持続性点眼液への切替えによる患者満足度評価

著者: 野呂隆彦1 中野匡1 柳沼厚仁1 松田英樹1 立道昌幸2 常岡寛1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学教室 2昭和大学医学部衛生学

ページ範囲:P.1325 - P.1330

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要約 目的:緑内障に対する2%カルテオロール塩酸塩点眼液を持続性2%カルテオロール塩酸塩点眼液に切替えた後の患者の満足度の報告。対象と方法:2%カルテオロール塩酸塩点眼液による治療を持続性2%カルテオロール塩酸塩点眼液に切替えた緑内障患者36例36眼を対象にし,アンケート調査を行った。男性25例,女性11例で,平均年齢は61.3±12.6歳であった。原発開放隅角緑内障21例,続発緑内障8例,正常眼圧緑内障6例,発達緑内障1例である。結果:変更前後で眼圧には有意差がなかった。コンプライアンズは変更前の72%が89%に上昇し,59%の患者が持続性点眼液の使用を希望し,その90%が点眼回数の減少をその理由に挙げた。結論:緑内障に対する治療として,2%カルテオロール塩酸塩点眼液を持続性2%カルテオロール塩酸塩点眼液に切替えることにより,利便性とコンプライアンスの向上が期待できる。

参考文献

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2)山本哲也・カルテオロール持続性点眼液研究会:塩酸カルテオロール1%持続性点眼液の眼圧下降効果の検討―塩酸カルテオロール1%点眼液を比較対照とした高眼圧患者における無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験.日眼会誌 111:462-472,2007
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11)新夕 愛・竹山明日香・北 善幸・他:カルテオロール塩酸塩持続性点眼液とカルテオロール塩酸塩点眼液の眼圧下降効果の比較.あたらしい眼科 26:1119-1121,2009
12)逸見知弘・山林 茂・古田仁志・他:眼圧の季節変動.日眼会誌 98:782-786,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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