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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

セントラルデルモイドの1例

著者: 福島梨紗1 重安千花1 水野嘉信1 横井匡2 中川温子3 仁科幸子2 東範行2 山田昌和1

所属機関: 1国立病院機構東京医療センター眼科 2国立成育医療研究センター眼科 3国立成育医療研究センター病理

ページ範囲:P.1337 - P.1340

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要約 目的:角膜中央部に生じたデルモイドの症例の報告。症例:生後3か月の男児が出生時からの右眼の角膜混濁で受診した。在胎39週,生下時体重は2,998gであった。口蓋裂,口唇裂,心室中隔欠損があった。所見:右眼の角膜中央部に7mm×8.5mmの淡桃色の混濁した隆起があり,耳側の角膜輪部と連続していた。右眼の下眼瞼にコロボーマがあった。角膜移植を行い,中央部は全層移植,周辺部は表層移植とした。摘出組織は毛囊と皮脂腺を含むデルモイドと病理診断された。以後移植角膜は透明性を維持しているが,3歳3か月での視力は0.01である。結論:角膜デルモイドが角膜中央部に発症することがあり,先天性の角膜中央部混濁での鑑別診断の対象となる。

参考文献

1)Rezende RA, Cohen EJ, Uchoa UC et al:Congenital dermoids. In:Krachmer JH, Mannis MJ, Holland EJ(eds):Cornea. 332-333, Mosby, Philadelphia, 2005
2)Rezende RA, Uchoa UB, Uchoa R et al:Congenital corneal opacities in a cornea referal practice. Cornea 23:565-570, 2004
3)Ash JE:Epibulbar tumors. Am J Ophthalmol 33:1203-1219, 1950
4)五十嵐羊羽・島崎 潤・坪田一男・他:角膜中央部に発生したデルモイドの1例.眼臨 91:947-948,1997
5)Alward WLM:Peters anomaly. In:Krachmer JH, Mannis MJ, Holland EJ(eds):Cornea. 745-747, Mosby, Philadelphia, 2005
6)Rezende RA, Cohen EJ, Uchoa UC et al:Sclerocornea. In:Krachmer JH, Mannis MJ, Holland EJ(eds):Cornea. 313-314, Mosby, Philadelphia, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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