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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(6) 原著

眼内レンズ毛様溝縫着術後に周辺虹彩切除術を施行したにもかかわらず瞳孔捕獲を繰り返した1例

著者: 長岡朋子1 杤久保哲男1 松本直1 平田香代菜1 渡辺博1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院眼科学教室

ページ範囲:P.1351 - P.1354

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要約 目的:眼内レンズの毛様溝縫着術後に,瞳孔捕獲を繰り返した症例の報告。症例:59歳男性が左眼の特発性水晶体脱臼で紹介され受診した。硝子体切除ののち水晶体乳化吸引術を行い,眼内レンズを毛様溝に縫着した。術後4日目に瞳孔捕獲が生じ,散瞳で治癒した。縮瞳薬の点眼を行っていたが,その翌日に瞳孔捕獲が再発し,眼圧が上昇した。6時に小さな周辺虹彩切除を置き,眼内レンズを整復した。以後9か月間に3回の瞳孔捕獲が生じた。11時に大きな周辺虹彩切除術を行い,以後8か月後の現在まで再発はない。結論:眼内レンズの毛様溝縫着術後に瞳孔捕獲を繰り返した症例に大きな虹彩切除術が奏効した。

参考文献

1)下村智恵美・山田知之・野宗研志・他:眼内レンズ縫着術の原因と予後.臨眼 61:1409-1412,2007
2)東出朋巳:眼内レンズ毛様溝縫着後の逆瞳孔ブロックによる虹彩捕捉とその治療.IOL & RS 23:410-412,2009
3)Karickhoff JR:Pigmentary dispersion syndrome and pigmentary glaucoma:a new mechanism concept, a new treatment, and a new technique. Ophthalmic Surg 23:269-277, 1992
4)Campbell DG, Schertzew RM:Pathophysiology of pigment dispersion syndrome and pigmentary glaucoma. Curr Opin Ophthalmol 6:96-101, 1995
5)井上 康・馬場哲也・永山幹夫・他:眼内レンズ毛様体扁平部縫着後に発症した逆瞳孔ブロック.眼科 46:1899-1903,2004
6)Khng C, Snyder ME, Osher RH et al:Consultation section. Cataract surgical problem. J Cataract Refract Surge 31:264, 2005
7)池田恒彦:硝子体手術後の虹彩捕獲.あたらしい眼科 22:1655,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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