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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻9号

2010年09月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

超音波乳化吸引術での20ゲージと21ゲージ手術の比較

著者: 山田晴彦1 河合江実2

所属機関: 1関西医科大学枚方病院眼科 2有澤総合病院眼科

ページ範囲:P.1503 - P.1506

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要約 目的:20Gと21Gチップを用いた水晶体乳化吸引術の比較。対象と方法:それぞれ同じ術者が水晶体乳化吸引術を行った86眼を対象とした。43眼には3.0mmの角膜切開と20Gのチップ,他の43眼には2.3mmの角膜切開と21Gのチップを用いた。結果:超音波の平均出力は,20G群で24.9±5.9%,21G群で27.3±4.9%で,両群間に有意差があった(p=0.0198)。手術時間,超音波作動時間,術後の角膜内皮減少率については両群間に差はなかった。術中の印象として,21G手術では破砕と吸引の効率が低く,ペダルを強く踏み込むために超音波の出力が大きくなった。結論:20Gと21Gチップを用いた水晶体乳化吸引術では,手術時間,超音波作動時間,術後の角膜内皮減少率につき,両術式の間に大差はなかった。

参考文献

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3)杉本和久・清水公也・天野理恵:小切開白内障手術における惹起乱視量および高次収差の検討.IOL & RS 21:262-265,2007
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8)山田晴彦・山田英里:超音波乳化吸引術における超音波連続発振モードとインクリメンタルパルスモードとの前向き検討による比較.臨眼 60:1937-1942,2006
9)田代順子:白内障手術後の角膜内皮細胞数の変化.眼臨 92:899-901,1998
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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