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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科64巻9号

2010年09月発行

文献概要

特集 第63回日本臨床眼科学会講演集(7) 原著

Mチャート®を用いた黄斑上膜術後の変視量の変化の検討

著者: 畔柳佳奈1 郡司久人2 加藤秀紀2 月花環2 新井香太2 伊藤義徳2 安西欣也2 西本文俊1 常岡寛1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学眼科学講座 2東京慈恵会医科大学柏病院眼科

ページ範囲:P.1551 - P.1554

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要約 目的:黄斑上膜の除去術後の変視症の変化をMチャート®で評価した報告。対象と方法:過去9か月間に黄斑上膜の除去術を行った23例23眼を対象とした。変視症は術後3か月までMチャート®で定量的に評価した。視力はlogMARで判定した。結果:平均視力は術前0.29,術後3か月で0.16で,有意差があった(p<0.05)。変視量の平均は,垂直方向が術前0.75,術後3か月で0.41,水平方向が術前0.92,術後3か月で0.49と,いずれも有意に改善した(p<0.05)。垂直方向の変視量には,術前値と術後3か月値に相関があった(相関係数0.66,p<0.05)。水平方向の変視量には,術前値と術後3か月値に相関があった(相関係数0.45,p<0.05)。結論:黄斑上膜の除去術では,変視症が術後3か月で改善し,その術前値と術後3か月値に有意な相関があった。黄斑上膜の手術は変視症が増強する前に実施することが望ましい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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