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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻1号

2011年01月発行

文献概要

連載 つけよう! 神経眼科力・10

見落としがちな瞬目の異常―眼瞼けいれんを中心に

著者: 若倉雅登1

所属機関: 1井上眼科病院

ページ範囲:P.28 - P.31

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はじめに

 眼瞼からの情報は,神経眼科の臨床では非常に大切で,眼瞼下垂や眼瞼腫脹については前号で中馬氏が詳しく触れている。今回は,その瞼の大事な機能の1つである「瞬目」を取り上げてみたいと思う。

 瞬目は「またたき」という日本語からもわかるように,非常に短い過程の動きであり,自然瞬目が始まってから終るまでは200~300ミリ秒程度である。それをわれわれは,1分間に15~20回程度行っている。

 瞬目の役割は主として涙液層の維持など眼表面の問題として理解されてきた。しかし,瞬目はそれだけでなく,種々の環境や疾患において変化をもたらすことが明らかになっている。そういう観点でみていくと,瞬目が神経眼科の臨床に役立つ情報はかなり多い。

参考文献

1)島﨑 潤:瞬目とオキュラーサーフェス.神眼 20:37-42,2003
2)Nakano T, Kitazawa S:Eyeblink entrainment at breakpoint of speech. Exp Brain Res 205:577-581, 2010
3)Coizato LS, van Wouwe NC, Hommel B:Spontaneous eyeblink rate predicts the strength of visuomotor binding. Neuropsychologia 45:2387-2392, 2007
4)Tsubota K, Fujihara T, Kaido M et al:Dry eye and Meige's syndrome. Br J Ophthalmol 81:439-442, 1997
5)若倉雅登・井上治郎:眼瞼けいれん患者における2006年ドライアイ診断基準の適用.臨眼 62:857-860,2008
6)Wakakura M, Tsubouchi T, Inouye J:Etizolam and benzodiazepine induced blepharospasm. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75:506-507, 2004
7)若倉雅登:眼瞼痙攣の診断法(ドライアイとの関連も含めて).三村 治(編):眼窩疾患のボツリヌス治療.15-32,診断と治療社,東京,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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