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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻10号

2011年10月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

瘢痕期未熟児網膜症,第1次硝子体過形成遺残に続発閉塞隅角緑内障をきたした2例

著者: 勝村宇博1 田辺佐智子1 尾関直毅1 結城賢弥1 谷野富彦1 芝大介1 坪田一男1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1631 - P.1634

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要約 目的:瘢痕期未熟児網膜症および第一次硝子体過形成遺残において続発閉塞隅角緑内障を発症し,水晶体摘出により眼圧が下降した2例を検討する。症例:症例1は第一次硝子体過形成遺残の28歳女性。水晶体の前方偏位,Shaffer 0°の閉塞隅角を認め,続発閉塞隅角緑内障を発症し,右眼眼圧が48mmHgと上昇した。症例2は瘢痕期未熟児網膜症の20歳男性。14歳時に続発閉塞隅角緑内障を発症し,周辺虹彩切除術を施行されたが,20歳時に水晶体が前方偏位し,水晶体後部線維増殖を認め,眼圧が34mmHgと上昇した。2例とも水晶体の摘出により前房深度の増加と隅角の開大を認め,眼圧下降が得られた。結論:水晶体後部線維増殖を伴う眼圧上昇では,レーザー虹彩切開術や周辺虹彩切除術によっても瞳孔ブロックの解除が奏効しない可能性があるため,水晶体摘出を考慮すべきである。

参考文献

1)Pollard ZF:Persistent hyperplastic primary vitreous:diagnosis, treatment and results. Trans Am Ophthalmol Soc 95:487-549, 1997
2)Pollard ZF:Lensectomy for secondary angle-closure glaucoma in advanced cicatricial retrolental fibroplasia. Ophthalmology 91:395-398, 1984
3)Suzuki A, Kondo N, Terasaki H:High resolution ultrasonography in eyes with angle-closure glaucoma associated with the cicatricial stage of retinopathy of prematurity. Jpn J Ophthalmol 49:312-314, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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