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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻10号

2011年10月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(8) 原著

スペクトラルドメイン光干渉断層計による視神経乳頭周囲網膜神経線維層厚と緑内障性視野障害の関連

著者: 森脇光康1 上野洋祐1 芳田裕作1 矢寺めぐみ1 白木邦彦1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科視覚病態学

ページ範囲:P.1635 - P.1640

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要約 目的:緑内障性視野障害と乳頭周囲の網膜神経線維層厚との関係の報告。対象と方法:広義の開放隅角緑内障40例50眼を対象とした。年齢は48~83歳(平均67歳)である。視野はHumphrey自動視野計のglaucoma hemifield testで測定し,スペクトラルドメイン光干渉断層計で乳頭周囲の網膜神経線維層厚を測定した。結果:全症例で,上耳側・下耳側の網膜神経線維層厚はセクター2・3の視野と相関があり,耳側の網膜神経線維層厚はセクター5と相関を示した。早期の25眼では,上耳側・下耳側の網膜神経線維層厚はセクター3のみと相関を示した。結論:乳頭上耳側と下耳側の網膜神経線維層厚は,緑内障の早期診断の指標となる可能性がある。

参考文献

1)金森章泰・瀬谷 隆・山田裕子・他:緑内障眼における上下半視野の網膜神経線維層厚の光干渉断層計による解析.日眼会誌 108:213-218,2004
2)大友孝昭・布施昇男・清宮基彦・他:緑内障眼における網膜神経線維層厚測定値と視野障害との相関.臨眼 62:723-726,2008
3)朝岡 亮・尾谷雅博・高田真智子・他:緑内障における網膜神経線維層厚と静的視野の関係.臨眼 54:769-774,2000
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5)山下 力・家木良彰・後藤克聡・他:スペクトラルドメインOCTによる網膜神経線維層厚と黄斑部網膜内層厚の視野障害との相関.あたらしい眼科 26:997-1001,2009
6)小暮俊介・小暮朗子・堀 貞夫:スペクトラルドメイン光干渉断層計による黄斑部および視神経乳頭周囲網膜神経線維層厚と視野障害の相関.臨眼 64:1741-1746,2010
7)Anderson DR:Automated Static Perimetry. Mosby-Year Book, St Louis, 1992
8)東出朋巳:視野障害の機序と特徴.根木 昭(編):眼科プラクティス15.視野.106-110,文光堂,東京,2007
9)Nicholas SP, Werner EB:Location of early visual field defects. Can J Ophthalmol 15:131-133, 1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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