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特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 1 屈折・調節の異常,白内障 ■白内障の治療
白内障術後乱視
著者: 松永次郎1 宮田和典1
所属機関: 1宮田眼科病院
ページ範囲:P.71 - P.75
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以前の常識
●白内障手術後に良好な裸眼視力を得るための術後乱視の目標は1.5~2.0Dであった。
●1.5~2.0D以上の乱視に対しては,角膜輪部減張切開術(LRI)が行われていたが,用手的な手術であるため,矯正精度が劣ることが問題であった。
現在の常識
●非球面眼内レンズ(IOL)や多焦点IOLなどの高機能IOLの機能を発揮するために,術後乱視の目標は1.0D未満になり,より厳密な乱視矯正が必要となった。
●LRIはaxis registration法により矯正精度が向上し,さらにトーリックIOLが利用できるようになったため,より精密な乱視矯正を行うことができるようになった。
以前の常識
●白内障手術後に良好な裸眼視力を得るための術後乱視の目標は1.5~2.0Dであった。
●1.5~2.0D以上の乱視に対しては,角膜輪部減張切開術(LRI)が行われていたが,用手的な手術であるため,矯正精度が劣ることが問題であった。
現在の常識
●非球面眼内レンズ(IOL)や多焦点IOLなどの高機能IOLの機能を発揮するために,術後乱視の目標は1.0D未満になり,より厳密な乱視矯正が必要となった。
●LRIはaxis registration法により矯正精度が向上し,さらにトーリックIOLが利用できるようになったため,より精密な乱視矯正を行うことができるようになった。
参考文献
1)大谷伸一郎・宮田和典・阪上祐志・他:白内障手術における乱視矯正同時手術の適応.IOL & RS 15:142-145,2001
2)黒坂大次郎:Coaxialによる極小切開白内障手術.眼科手術 18:477-480,2005
3)Gills JP, Karr VDK, Cherchio MC:Combined toric intraocular lens implantation and relaxing incision to reduce high preexing astigmatism. J Cataract Refract Surg 28:1585-1588, 2002
4)山本佳乃・宮井尊史・子島良平・他:白内障術後乱視に対する角膜輪部減張切開による角膜不正乱視の変化.眼科手術 20:251-254,2007
5)Hayashi K, Hayashi H, Nakao F et al:Influence of astigmatism on multifocal and monofocal intraocular lens. Am J Ophthalmol 130:477-482, 2000
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7)Suzuki A, Maeda N, Watanabe H et al:Using a reference point and videokeratography for intraoperative identification of astigmatism axis. J Cataract Refract Surg 23:1491-1495, 1997
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9)林 研・桝本美樹・藤野鈴枝・他:加齢による角膜乱視の変化.日眼会誌 97:1193-1196,1993
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