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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻11号

2011年10月発行

文献概要

特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 2 眼表面・角膜疾患 ■診断・治療

ドライアイに対する治療法

著者: 堀裕一1

所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院眼科

ページ範囲:P.115 - P.118

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以前の常識

●ドライアイの治療薬はヒアルロン酸点眼薬と人工涙液であり,有効でない患者には涙点プラグを挿入する。

●涙点プラグは有効ではあるが,脱落が多く,迷入の危険性も多い治療である。

現在の常識

●ドライアイ治療の点眼薬としてヒアルロン酸点眼薬,人工涙液に加えて,ムチン分泌促進薬が選択できるようになった。

●涙点プラグは迷入のリスクが減少し,脱落率も減少している。固形プラグのほかにコラーゲンプラグも登場し,選択の幅が広がっている。

●Sjögren症候群のドライマウスに対する内服治療がドライアイ治療にも効果があるといわれており,今後新しい治療薬として使用できる可能性が出てきた。

参考文献

1)Danjo Y, Watanabe H, Tisdale AS et al:Alteration of mucin in human conjunctival epithelia in dry eye. Invest Ophthalmol Vis Sci 39:2602-2609, 1998
2)Argueso P, Balaram M, Spurr-Michaud S et al:Decreased levels of the goblet cell mucin MUC5AC in tears of patients with Sjögren syndrome. Invest Ophthalmol Vis Sci 43:1004-1011, 2002
3)七條優子・阪元明日香・中村雅胤:ジクアホソルナトリウムのウサギ結膜組織からのMUC5AC分泌促進作用.あたらしい眼科 28:261-265,2011
4)西井正和・横井則彦・小室 青・他:涙点プラグの違いによる脱落率の検討.日眼会誌 107:322-325,2003
5)Aragona P, Pietro RD, Spinella R et al:Conjunctival epithelium improvement after systemic pilocarpine in patients with Sjögren's syndrome. Br J Ophthalmol 90:166-170, 2006
6)栗本拓治・岡本紀夫・西村雅史・他:塩酸ピロカルピン内服投与による涙液分泌と虹彩毛様体への影響.Prog Med 26:853-856,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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