icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻11号

2011年10月発行

文献概要

特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 2 眼表面・角膜疾患 スペシャルレクチャー

シリコーンハイドロゲルを用いたソフトコンタクトレンズ

著者: 岩崎直樹1

所属機関: 1イワサキ眼科医院

ページ範囲:P.163 - P.164

文献購入ページに移動
シリコーンハイドロゲルレンズの長所と短所

 シリコーンハイドロゲルを用いたソフトコンタクトレンズ(silicone hydrogel contact lens:SHCL)とは,シリコーンを含有する高酸素透過性,低含水率のソフトコンタクトレンズ(soft contact lens:SCL)である。従来素材のSCLは素材に含まれる水の率,すなわち含水率が上がるほど酸素透過係数Dk値が上昇する。それに対してSHCLでは全体にDk値が高いうえに,含水率が下がるほどDk値が上昇する(図1)。そのため,商品化されているSHCLでのDk値は80~150と,従来素材の20前後よりずっと高い。また,含水率が低ければSCL表面からの水分蒸発が少なく,より乾燥感が少ないという特徴を持っている。

 その裏返しとして,素材が硬く異物感が出ることがある。また,そのままでは素材が疎水性で水を弾いてしまい,SCLが曇ってしまうため,何らかの表面処理を必要とする。

参考文献

1)工藤昌之・糸井素純:シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズと消毒剤との相性.あたらしい眼科 22:1349-1355,2005
2)Carnt N, Jalbert I, Stretton S et al:Solution toxicity in soft contact lens daily wear is associated with corneal inflammation. Optom Vis Sci 84:309-315, 2007
3)月山純子・宮本裕子・福田昌彦・他:コンタクトレンズに対する化粧品とクレンジング剤の影響.日コレ誌 52:100-107,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?