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特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 4 網膜・硝子体疾患 ■網膜・硝子体手術手技
眼内組織染色法
著者: 江内田寛1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院眼科学分野
ページ範囲:P.313 - P.317
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以前の常識
●内境界膜の染色はインドシアニングリーン(ICG),硝子体の可視化にはトリアムシノロン(TA)によるものが一般的であった。
●日本国内には認可された染色剤は存在しなかった。
現在の常識
●現在は使用可能な染色剤の種類が増え,選択肢が増えたが,これまで報告されている手術補助剤については網膜に対する組織障害の報告がなされているものもあるため,十分に注意して選択,使用する必要がある。
●各種染色剤を使用した眼内染色法は有用である反面,いまだそのほとんどの染色剤は国内では未認可か,オフラベルでの使用を行っている現状であるため,所属施設の倫理委員会の承認や患者への十分なインフォームド・コンセントが必要である。
●各染色剤の特性を生かした組み合わせによる使用法も効果的で,より難治な疾患ほど手術補助剤使用の有用性は際だつ。
●眼内組織染色法が認知されてからかなり時間が経過しているが,認可を受けた生体染色剤はいまだ極めて少ない。
以前の常識
●内境界膜の染色はインドシアニングリーン(ICG),硝子体の可視化にはトリアムシノロン(TA)によるものが一般的であった。
●日本国内には認可された染色剤は存在しなかった。
現在の常識
●現在は使用可能な染色剤の種類が増え,選択肢が増えたが,これまで報告されている手術補助剤については網膜に対する組織障害の報告がなされているものもあるため,十分に注意して選択,使用する必要がある。
●各種染色剤を使用した眼内染色法は有用である反面,いまだそのほとんどの染色剤は国内では未認可か,オフラベルでの使用を行っている現状であるため,所属施設の倫理委員会の承認や患者への十分なインフォームド・コンセントが必要である。
●各染色剤の特性を生かした組み合わせによる使用法も効果的で,より難治な疾患ほど手術補助剤使用の有用性は際だつ。
●眼内組織染色法が認知されてからかなり時間が経過しているが,認可を受けた生体染色剤はいまだ極めて少ない。
参考文献
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