文献詳細
文献概要
特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 6 神経,外眼部,腫瘍などの疾患 ■神経
視神経炎の分類・診断・治療
著者: 毛塚剛司1
所属機関: 1東京医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.390 - P.393
文献購入ページに移動ここが変わった!
以前の常識
●視神経炎は単発のことが多く,繰り返す頻度は少ない。
●視神経炎は多発性硬化症などの全身疾患に伴うことが多く,副腎皮質ステロイド薬の大量療法で軽快する。
現在の常識
●視神経炎には,視神経脊髄型多発性硬化症に伴うタイプのほかに,抗アクアポリン-4抗体陽性の視神経炎があり,脊髄炎を伴うことが多い。また,抗アクアポリン-4抗体以外にも病因に関する新規抗体が発見されつつある。
●視神経の三次元画像解析を行うことにより,視神経炎の既往を推測できる。
●視神経炎の視野変化は一様ではなく,特に抗アクアポリン-4抗体陽性視神経炎では種々の視野異常をきたす。
●抗アクアポリン-4抗体陽性の視神経炎は,多くのケースにおいて副腎皮質ステロイド薬の投与に加えて,血漿交換療法が有効である。
以前の常識
●視神経炎は単発のことが多く,繰り返す頻度は少ない。
●視神経炎は多発性硬化症などの全身疾患に伴うことが多く,副腎皮質ステロイド薬の大量療法で軽快する。
現在の常識
●視神経炎には,視神経脊髄型多発性硬化症に伴うタイプのほかに,抗アクアポリン-4抗体陽性の視神経炎があり,脊髄炎を伴うことが多い。また,抗アクアポリン-4抗体以外にも病因に関する新規抗体が発見されつつある。
●視神経の三次元画像解析を行うことにより,視神経炎の既往を推測できる。
●視神経炎の視野変化は一様ではなく,特に抗アクアポリン-4抗体陽性視神経炎では種々の視野異常をきたす。
●抗アクアポリン-4抗体陽性の視神経炎は,多くのケースにおいて副腎皮質ステロイド薬の投与に加えて,血漿交換療法が有効である。
参考文献
1)Wakakura M, Mashimo K, Oono S et al:Multicenter clinical trial for evaluating methylpredonisolone pulse treatment of idiopathic optic neuritis in Japan. Jpn J Ophthalmol 43:133-138, 1999
2)Wingerchuk DM, Hogancamp WF, O'Brien PC et al:The clinical course of neuromyelitis optica(Devic syndrome). Neurology 53:1107-1114, 1999
3)Lennon VA, Kryzer TJ, Pittock SJ et al:IgG marker of optic-spinal multiple sclerosis binds to the aquaporin-4 water channel. J Exp Med 202:473-477, 2005
4)Wingerchuk DM, Lennon VA, Pittock SJ et al:Revised diagnostic criteria for neuromyelitis optica. Neurology 66:1485-1489, 2006
5)Kezuka T, Usui Y, Yamakawa N et al:Clinical relevance of the relationship between anti-aquaporin 4 antibody and anti-MOG antibody in optic neuritis. J Neuro-ophthalmol, in press
6)Ratchford JN, Quigg ME, Conger A et al:Optical coherence tomography helps differentiate neuromyelitis optica and MS optic neuropathies. Neurology 73:302-8, 2009
7)中尾雄三・山本 肇・有村英子・他:抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の臨床的特徴.神経眼科 25:327-342,2008
8)毛塚剛司・松永芳径・小林昭子・他:抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の視野変化.臨眼 64:317-322,2010
9)日本神経学会,日本神経免疫学会,日本神経治療学会(監),多発性硬化症治療ガイドライン作成委員会(編):多発性硬化症治療ガイドライン2010.医学書院,2010
掲載誌情報