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特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 6 神経,外眼部,腫瘍などの疾患 ■神経
強度近視性内斜視の手術療法
著者: 八子恵子1
所属機関: 1北福島医療センター眼科
ページ範囲:P.402 - P.407
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以前の常識
●強度近視を合併する後天内斜視は,眼球の拡大により外直筋が眼窩壁と強く接触して外転制限を起こし,二次的に内直筋の拘縮が起きて発症,やがて固定内斜視となる。
●強度近視を合併する固定内斜視の手術には,前後転術あるいは上下直筋移動術を行う。
現在の常識
●強度近視性内斜視の原因は,拡大した眼球が上直筋と外直筋の間で筋円錐外に脱臼することである。それにより,外直筋は外下方に,上直筋は内方に偏位し,やがて固定内斜視を呈する。
●診断にはMRI(冠状断)が有用である。
●手術は,上直筋と外直筋の筋腹を縫合することで,眼球を筋円錐内に収めることである。
●固定内斜視になる前の手術が望ましい。
以前の常識
●強度近視を合併する後天内斜視は,眼球の拡大により外直筋が眼窩壁と強く接触して外転制限を起こし,二次的に内直筋の拘縮が起きて発症,やがて固定内斜視となる。
●強度近視を合併する固定内斜視の手術には,前後転術あるいは上下直筋移動術を行う。
現在の常識
●強度近視性内斜視の原因は,拡大した眼球が上直筋と外直筋の間で筋円錐外に脱臼することである。それにより,外直筋は外下方に,上直筋は内方に偏位し,やがて固定内斜視を呈する。
●診断にはMRI(冠状断)が有用である。
●手術は,上直筋と外直筋の筋腹を縫合することで,眼球を筋円錐内に収めることである。
●固定内斜視になる前の手術が望ましい。
参考文献
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