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特集 眼科診療:5年前の常識は,現在の非常識! 6 神経,外眼部,腫瘍などの疾患 ■腫瘍
眼内腫瘍の手術による組織診断
著者: 小島孚允1
所属機関: 1さいたま赤十字病院眼科
ページ範囲:P.436 - P.440
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以前の常識
●眼内悪性腫瘍の手術は腫瘍細胞を播種する危惧があり,できる限り避けるべきである。
●眼内悪性リンパ腫は稀な疾患であり,原因不明の慢性ぶどう膜炎として漫然とステロイドで治療されている例が多かった。
現在の常識
●手術法の進歩により,悪性腫瘍の手術も以前より安全に行うことができるようになった。
●眼内悪性リンパ腫は近年増加傾向にある1)うえに悪性度が高く,早期治療のために硝子体手術による早期診断が極めて重要である。
以前の常識
●眼内悪性腫瘍の手術は腫瘍細胞を播種する危惧があり,できる限り避けるべきである。
●眼内悪性リンパ腫は稀な疾患であり,原因不明の慢性ぶどう膜炎として漫然とステロイドで治療されている例が多かった。
現在の常識
●手術法の進歩により,悪性腫瘍の手術も以前より安全に行うことができるようになった。
●眼内悪性リンパ腫は近年増加傾向にある1)うえに悪性度が高く,早期治療のために硝子体手術による早期診断が極めて重要である。
参考文献
1)Tuaillon N, Chan CC:Molecular analysis of primary central nervous system and primary intraocular lymphomas. Curr Mol Med 1:259-272, 2001
2)Chan CC, Buggage RR, Nussenblatt RB:Intraocular lymphoma. Curr Opin Ophthalmol 13:411-418, 2002
3)Gill MK, Jampol LM:Variations in the presentation of primary intraocular lymphoma;case reports and a review. Surv Ophthalmol 45:463-471, 2001
4)Whitcup SM, Stark-Vancs V, Wittes RE et al:Association of interleukin 10 in the vitreous and cerebrospinal fluid and primry central nervous system lymphoma. Arch Ophthalmol 115:1157-1160, 1997
5)平形明人・稲見達也・斉藤真紀・他:眼内悪性リンパ腫における硝子体内インターロイキン-10,インターロイキン-6の診断的価値.日眼会誌 108:359-367,2004
6)Shen DF, Zhuang Z, LeHoang P et al:Utility of microdissection and polymerase chain reaction for the detection of immunoglobulin gene rearrangement and translocation in primary intraocular lymphoma. Ophthalmology 105:1664-1669, 1998
7)大田亜紀・海老原伸行・平塚義宗・他:眼内悪性リンパ腫診断における硝子体生検の重要性.日眼会誌 110:588-593,2006
8)岩崎真理子・中村 裕・鈴木参郎助・他:切除硝子体の細胞表面マーカー検索により診断した眼・中枢神経系悪性リンパ腫の1症例.眼紀 48:134-139,1997
9)豊野哲也・小島孚允・藤代貴志:局所切除した毛様体腫瘍5症例の検討.眼臨紀 3:128-132,2010
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