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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻12号

2011年11月発行

文献概要

臨床報告

黄斑上膜におけるIOLマスターTMを用いた眼軸長測定と術後屈折誤差の検討

著者: 藤原和子1 柳田智彦1 髙橋慶子1 時澤えり子1 清水公也1

所属機関: 1北里大学病院眼科

ページ範囲:P.1833 - P.1837

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要約 背景:黄斑上膜がある眼でのAモードによる超音波検査では,黄斑上膜と網膜色素上皮とから二峰性の反射が得られることがある。目的:IOLマスターTMで二峰性波形を示す黄斑上膜眼に,白内障と硝子体同時手術を行ったときの術後屈折誤差の検討。対象と方法:白内障と硝子体同時手術を行った16眼を対象とした。術前にIOLマスターTMで眼軸長を測定し,二峰性波形を示した眼につき,中心窩網膜厚と術後屈折誤差を解析した。結果:11眼(69%)が二峰性波形を示した。前面と後面波形の差は平均0.44mm(0.38~0.52mm)で,中心窩網膜厚は平均423μm(305~565μm)であり,両者間に正の相関があった(p=0.0216,r=0.66)。術前の後面波形から算出した眼軸長は,術後の眼軸長の実際値と最も近似した。結論:IOLマスターTMによる白内障の術前検査で二峰性波形が得られる眼では,後面波形から算出される眼軸長を用いることが望ましい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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