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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻2号

2011年02月発行

文献概要

連載 視野のみかた・11

動的視野計測

著者: 松本長太1

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.186 - P.193

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はじめに

 視野検査は,眼科診療において欠かすことのできない重要な視機能検査である。今日の眼科診療では,自動視野計による静的視野測定が視野検査の主流となっている。この背景には,手動のGoldmann視野計による動的視野測定が検者の技量に大きく左右されること,精度の高い動的視野を測定する環境を維持するためには,多大な人的資産の維持が必要であることが挙げられる。さらに,緑内障など長期的な経過観察を行う場合,Goldmann視野計による動的視野の測定結果は定量評価が難しいこともその大きな要因となっている。

 しかしながら臨床的には,むしろGoldmann視野計による動的視野のほうが自動視野計による静的視野より有益な情報を与えてくれる症例が存在することも事実である。視野障害が進行した症例,神経眼科領域の疾患,網膜色素変性など視野の全体像をパターンとして捉えることを考えた場合,Goldmann視野計による動的視野の優位性は高い。また,小児や,理解力の低い症例の場合は,検者が患者と1つ1つコミュニケーションを取りながら検査を進めることができる利点も大きい。今回は,この動的視野検査の臨床的な有用性を中心に考えていきたい。

参考文献

1)松本長太(監修):理解を深めよう 視野検査.金原出版,東京,2009
2)眼科診療プラクティス28(視野のすべて).1997
3)眼科MOOK36.視野.金原出版,東京,1988
4)中尾雄三:うっ血乳頭の臨床像.神眼 2:226-232,1985

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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