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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻3号

2011年03月発行

文献概要

連載 つけよう! 神経眼科力・12

診察室で診断できる異常眼球運動

著者: 三村治1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.280 - P.284

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異常眼球運動の診断は問診から!

 ひとくちに自発性異常眼球運動といっても,先天眼振のように進行がなく放置しても差し支えないものから,松果体腫瘍に伴う輻湊眼振のように緊急に治療を要するものまでさまざまである。それらの診察に際してまず行うべきものはやはり問診である。主要な問診事項とその際に疑うべき疾患を表1に示した。先天性と後天性の鑑別で問診上これまで最も重視されてきたのは動揺視(oscillopsia)の有無で,先天性では動揺視を自覚せず,後天性では動揺視を自覚するというものであるが1),筆者の経験では,周期性交代性眼振(periodic alternating nystagmus:PAN)においては,先天性であってもその多くが間欠性の動揺視を自覚している。しかし,周期性交代性眼振以外の眼振では今なおこの有無は重要な診断根拠となるので必ず尋ねるべき事項である。

参考文献

1)Rucker JC:An update on acquired nystagmus. Semin Ophthalmol 23:91-97, 2008
2)加瀬 学:Saccadic oscillation.神眼 17:9-16,2000
3)Korres S, Balatsouras DG, Zournas C et al:Periodic alternating nystagmus associated with Arnold-Chiari malformation. J Laryngol Otol 115:1001-1004, 2001
4)Ramat S, Leigh RJ, Zee DS et al:What clinical disorders tell us about the neural control of saccadic eye movements. Brain 130:10-35, 2007
5)Scharwey K, Krzizok T, Samii M et al:Remission of superior oblique myokymia after microvascular decompression. Ophthalmologica 214:426-428, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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