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眼科ケーススタディ 網膜硝子体 フリーアクセス
著者: 大橋裕一1
所属機関: 1愛媛大学・眼科学
ページ範囲:P.444 - P.444
文献購入ページに移動「序」において編者らも述べているように,光干渉断層計(OCT)の出現は網膜硝子体疾患の臨床に革命的な変化をもたらしたと言える。眼底所見や蛍光眼底造影所見といった平面的な情報を基に感覚的に網膜硝子体疾患を考える時代から,個々の眼底所見を病理解剖学的な側面から確認しつつ,生じている病態をより深いレベルで考察しうる時代に入ったからである。本書編集のリーダーシップを取られている𠮷村先生はわが国を代表するclinician scientistであり,基礎研究者としても,また臨床家としても卓越した識見の持ち主であるが,この書に彼の理想とする網膜硝子体の臨床のあり方が具現化されているに違いない。京都大学眼科といえば網膜硝子体が看板であるが,これほどの長きにわたってその伝統が続いている教室は全国でも他に類を見ない。本書の行間にその歴史が生み出す凛としたオーラを感じるのは評者だけであろうか。
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