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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻4号

2011年04月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

眼窩底骨折整復術における上顎洞バルーン挿入術の合併症

著者: 恩田秀寿1 植田俊彦1 小出良平1 禅野誠1 齋藤雄太1

所属機関: 1昭和大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.457 - P.460

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要約 目的:眼窩底骨折に対する上顎洞バルーン挿入術の合併症の報告。対象と方法:過去2年間に眼窩底骨折に対し,眼窩下縁の皮膚切開による骨折整復と上顎洞バルーン挿入術を受けた149例の診療録を検索した。年齢は15歳以上に限定した。バルーンは生理食塩水で拡張し,約2週間留置したのちに抜去した。結果:バルーンによる合併症は5例(3.3%)に生じた。バルーン抜去前の合併症は,バルーン破裂が2例,高眼圧が2例で,抜去後の合併症として上顎炎が1例に生じた。結論:眼窩底骨折に対する骨折整復と上顎洞バルーン挿入術は,術後早期に異常がなければ視機能に障害がなく,安全で有効である。

参考文献

1)Koide R, Ueda T, Takano K et al:Surgical outcome of blowout fracture:early repair without implants and the usefulness of balloon treatment. Jpn J Ophthalmol 47:392-397, 2003
2)渡辺彰英・嘉鳥信忠:眼窩壁骨折整復術後のシリコンプレート抜去術施行症例の検討.聖隷浜松病院医学雑誌 6:22-25,2006
3)Mucha SM, Song DH, Pinto JM:Delayed maxillary sinusitis after orbital floor repair. Otolaryngol Head Neck Surg 136:508-509, 2007
4)土屋 明・戸塚伸吉・権 昭致・他:眼窩底骨折に対する上顎洞内バルーンの試作とその成績.あたらしい眼科 11:977-980,1994
5)菅又 章・松村 一:バルーン抜去後に眼球陥没が再発した眼窩下壁骨折の1症例.日本職業・災害医学会会誌 53:49-52,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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