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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻4号

2011年04月発行

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(2)

原著

網脈絡膜皺襞を認め視力が低下した前頭洞または前篩骨洞囊胞の2例

著者: 大江敬子1 林しの1

所属機関: 1JA香川厚生連滝宮総合病院眼科

ページ範囲:P.531 - P.535

文献概要

要約 目的:前頭洞または前篩骨洞囊胞で視力が低下し,手術で寛解した2症例の報告。症例:症例は56歳と63歳女性で,主訴は1例では1か月前からの眼瞼腫脹と眼球偏位,他の1例では1週間前からの眼瞼腫脹と眼瞼突出であった。いずれも片側性で,患眼の矯正視力はそれぞれ0.4と0.5であった。両症例とも黄斑部に及ぶ網脈絡膜皺襞があった。頭部CTで1例には前頭洞囊胞,他の1例には前篩骨洞囊胞があり,手術が行われた。術後視力はそれぞれ1.2と0.6で,第2例には眼底に鮮明な皺襞痕が残った。結論:前頭洞または前篩骨洞囊胞による圧迫で網脈絡膜皺襞が強い場合には,皺襞が残存し視力の改善が不完全なことがあり,早期診断と早期手術が望ましい。

参考文献

1)藤岡史子・山縣祥隆・来栖昭博・他:眼症状を呈した前頭洞囊胞の5症例.眼紀 56:209-215,2005
2)高橋国広・間口四朗・田中克彦・他:鼻性眼窩合併症.耳鼻と臨床 34:619-624,1988
3)桂 茂弘・山村敏明・枝松秀雄・他:眼窩内に進展した前頭洞囊胞の1例.眼紀 42:1891-1895,1991
4)上原雅夫・大西克尚・石川祐二郎・他:九大眼科における最近5年間の副鼻腔囊胞について.眼紀 32:363-371,1981
5)高橋信夫・結城 泰:副鼻腔囊腫に伴う眼症状.日眼会誌 89:914-918,1985
6)宮内美和子・武市吉人・宇山昌延:眼窩フレグモーネ様急性症状を示した前頭洞囊胞の1例.眼臨 85:1381-1384,1991

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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