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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻5号

2011年05月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

高知 町田病院における細菌性角膜炎の検討

著者: 星最智1 卜部公章2

所属機関: 1藤枝市立総合病院眼科 2町田病院

ページ範囲:P.633 - P.639

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要約 目的:過去6年間に経験した細菌性角膜炎の報告。対象と方法:2009年までの6年間に高知市の町田病院で入院加療した35例を検索した。結果:すべて片眼性で,男性22例,女性13例であり,24例(68%)が65歳以上であった。外傷や水疱性角膜炎などの既往が21例(60%)にあった。起炎菌は20例で同定され,グラム陽性球菌6例,グラム陰性桿菌13例,グラム陰性球菌1例であった。グラム陰性桿菌による角膜炎は,治療後に角膜浮腫が悪化し,角膜上皮欠損が遷延化する傾向があった。結論:高齢者でもグラム陰性桿菌による角膜炎が問題である。

参考文献

1)感染性角膜炎全国サーベイランス・スタディグループ:感染性角膜炎全国サーベイランス.分離菌・患者背景・治療の現況.日眼会誌 110:961-972,2006
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8)宮嶋聖也・松本光希・奥田聡哉・他:熊本大学における過去20年間の細菌性角膜潰瘍の検討.あたらしい眼科 15:223-226,1998
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. J Clin Microbiol 45:3833-3836, 2007
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13)Willcox MD, Zhu H, Conibear TC et al:Role of quorum sensing by Pseudomonas aeruginosa in microbial keratitis and cystic fibrosis. Microbiology 154:2184-2194, 2008
14)星 最智:細菌のquorum sensingの機構について教えてください.あたらしい眼科 26(臨増):219-221,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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