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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻5号

2011年05月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(3) 原著

術前に裂創不明の眼球破裂眼の裂創に対する検討

著者: 早川夏貴1 西出忠之1 上本理世1 加藤徹朗1 野村英一1 安原美紗子1 安藤澄1 水木信久1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科眼科学視覚病態学教室

ページ範囲:P.701 - P.703

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要約 目的:術前に裂創が不明であった眼球破裂11眼の報告。対象と方法:過去5年間に治療した眼球破裂眼のうち,術前に裂創が不明であった11例11眼を診療録の記録により検索した。結果:男性4例,女性7眼で,年齢は58~95歳(平均79歳)であった。受傷原因はすべて鈍性外傷で,手術により全例に1個の眼球破裂創があった。裂創の中心は,9眼では上方にあり,他の2眼でも裂創の一部は上方に含まれていた。結論:術前に裂創が不明な眼球破裂眼では,裂創が必ず存在し,その中央部または一部が上方に位置する。このような症例では,手術の開始時に上方結膜下の裂創を確認することが有用である。

参考文献

1)Kuhn F, Morris R, Witherspoon CD et al:A standardized classification of ocular trauma. Ophthalmology 103:240-243, 1996
2)杉谷篤彦・市橋左登美・堀田一樹・他:眼球破裂の視力予後.臨眼 51:1029-1032,1997
3)張 祖蘭・布施昇男・玉井 信・他:鈍的外傷による眼球破裂の視力予後についての検討.臨眼 54:729-733,2000
4)山嵜 圭・松井孝明・加藤 整・他:鈍的外傷による眼球破裂の手術治療.臨眼 55:819-823,2001
5)樋口暁子・喜多美穂里・有澤章子・他:鈍的外傷による眼球破裂の検討.臨眼 56:1121-1125,2002
6)Duke-Elder S:System of Ophthalmology. Ⅱ:371-373, CV Mosby, St Louis, 1961

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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