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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科65巻6号

2011年06月発行

文献概要

特集 第64回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

Bilateral pinhole法が診断に有効であった3例

著者: 長島弘明1 河上なつみ1 山川良治1 児玉良太郎2 照屋健一3

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学講座 2久留米大学医療センター眼科 3大牟田市立病院眼科

ページ範囲:P.799 - P.802

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要約 目的:通常の視力検査表と検眼レンズセットで行うことができ,片眼の心因性視力障害や詐病の診断に有効とされているbilateral pinhole法を,片眼の視力障害3例に行った報告。症例:対象は,心因性視力低下が疑われた10歳男児と18歳女性,および詐病が疑われた44歳男性である。罹患眼の視力はそれぞれ0.2,手動弁,光覚弁で,諸検査の結果と視力とが一致しなかった。各症例とも通常の視力検査やトリック法では良好な視力が得られなかったが,bilateral pinhole法で良好な視力が得られ,診断が確定した。結論:原因不明の片眼性視力障害に対するbilateral pinhole法は,心因性視力障害または詐病の診断に有効であった。

参考文献

1)山口正和・前川絵美・福永崇樹・他:片眼性視覚障害の鑑別に有用であった新しい視力検査法(bilateral pinhole法)の試み.日視会誌 38:259-264,2009
2)小口芳久:学童期の心因性視力障害.眼科 26:139-145,1984
3)田淵昭雄・木村 久:外傷神経症と詐盲.眼科 34:1131-1137,1992
4)長島弘明・照屋健一・河上なつみ・他:凸レンズ負荷とpinholeを用いた不完全遮閉効果について.眼科 52:1213-1216,2010
5)山出新一:心因性視覚障害,詐病.大鹿哲郎(編):眼科プラクティス10.眼科外来必携.114-119,文光堂,東京,2006
6)伊藤 拓・宮崎清乃・野口益枝・他:詐病の視力検査について.日視会誌 32:175-180,2003
7)沢田麻子・佐藤美保・広瀬浩士・他:成人の片眼性心因性視力障害の3例.眼臨 91:5-7,1997
8)坂本恵美・錦織修道・白井堯子・他:眼球打撲を契機に発症した片眼性心因性視覚障害の成人例.眼紀 49:946-951,1998
9)魚里 博:ピンホール視力と調節麻痺薬点眼後の視力.眼科診療プラクティス9(屈折異常の診療):98,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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